デルタの窓口

2021年9月13日月曜日

最長片道切符の旅 31日目(最終日)

9月10日(金)

30日目はこちらから。

ついに最終日です。

宗谷岬で始まったこの長旅ですが、自分がA型なのもあって、"岬で始まったら岬で終わるべきでしょ"みたいな考え方しちゃうんですよね。

というわけで、最終日の始まりは本土最西端の地・神崎鼻から。佐世保でタイムズのカーシェア借りて40分かけて来ました。


駐車場から3分ほど丘を上っていくわけですが、丘の中腹に着いた途端の景色がこれ。この旅でいろんな岬巡りしてきましたが、宗谷岬とはまた違った最果て感があって、何かこみ上げてくるものがありました。


記念碑とは別に、本土四端に関連した公園もありました。改めてこうやって地図で見ると、日本ってまあまあ大きいなと思います。(実感は別ですが)

端っこを制覇したところで旅を再開。JR駅の最西端・佐世保からスタートです。
今日は肥前山口でゴールした後に広島へ帰る脚が必要なので、18きっぷで佐世保を発ちます。


早岐からは最長片道切符の行程としてシーサイドライナーへ乗車。諫早で最後の下車印を押してもらいました。それから、ふと上を見上げると新幹線の文字。まだ1年先のはずですが、期待感の表れなのか何なのか。

そんでもってこの自動ドア。写真じゃ伝わりにくいですが、横幅2m以上あるこのドアがのしのしと毎回開いては閉まりを繰り返しています。なぜ両開きにしなかった…


このまま肥前山口にストレートにゴールするのは味気なかったので、18きっぷで長崎へ寄り道。新しくできるものがあれば、こちらは思い出の駅舎がどんどん消えて行っている最中でした。次来た時にはアーチの鉄骨もなくなっていることでしょう…


長崎に来たお目当てはこれ。なんやかんや3都市目の転生電車を撮影できました。


ついでに初撮影の九州号。これを超えるシンプルイズベストなデザインのトラムはなかなか現れませんね。


諫早に戻って最後は贅沢に特急課金。優美に肥前山口へゴールします。


14時25分。12910.9kmの旅の末、肥前山口に到達しました。
終わった最初の感想は、ほんっっっっっっとうにゴールした実感がなかったです。あと九州二周分ぐらい旅できるやろって気分です、割とマジで。


まあそうはいっても終わりは終わりなので、石碑などといろいろ記念撮影。今回の旅の参考でありモチベーションでもあったNHKのあの番組ももう17年前ですか…


…で余韻に浸ることもなく、20分後にはもう肥前山口を出発。なんたって今日の本当のゴールは広島ですから。みどり課金して鳥栖まで一気に抜けます。


が、最長片道切符の旅の後遺症というのは恐ろしいもので、18きっぷでも下車印集めしたくなっちゃうんですよね、今までほとんどしてこなかったのに。
というわけで、いつかは改名されるであろうスぺワ含めて何駅か寄り道。


その後も余韻と後遺症が入り混じった状態は止まらず、最後はこんなところでも悪あがきしてました(苦笑) ちなみに西広島の下車印は、もたもたしてたせいでわずかに22時の門限に間に合わず…


そんでもって最終形態。大阪に出て3年半経ちましたが、5号線の深夜便を見ると旅が終わったんだなって今でも思います。というわけで、最後は見慣れたクルマで真の最長片道切符の旅を終えたのでした。


旅行記としてはここまでですが、最後にこの旅の道中で思っていたことをいくつか書き綴っておきます。

①○○らしい景色って何
 一番最初にこの題を思ったのは、"北海道らしい景色って何"って考え始めた瞬間。
この命題には難しいところが2つあって、一つが"○○らしい景色"ってほかの地域にもあるくね、って現象。さっきの北海道の例だと、広大な大地とかよく言われますが、そんな景色東北の庄内平野とかにもあったりするんですよ。で、そういうある種デジャヴみたいな景色見て"今どこ旅してるんだろう"って気に何回もなってました。真の意味での○○らしい景色って見つけるの本当に難しいです。一方で石州瓦の家が群がっている景色見て"山陰らしい"とか、多島美の景色で"瀬戸内だな"とか、案外身近なところに唯一無二の○○らしい景色って転がってたりするんですけどね(笑) 
 もう一つ、○○らしい景色を言語化するのはマジで難しいです。今も多島美ってさらっと書きましたけど、じゃあ多島美ってなんやねんっていう。でも自分の感性でいうと九十九島は多島美ではないんですよね… あー難しい。

②旅は頑張るものなのか
 自分と同時期に何人かの方が最長片道切符の旅をされていて、Twitterとかで進捗を拝見していたのですが、その中で"この先の行程も頑張る"とか"今日のスケジュールは大変"みたいなツイートを見たんですよね。別に旅への価値観は人それぞれなので全否定するつもりは一切ないですが、頑張る旅って楽しいのかなって改めて考えさせられましたよね。確かに長旅を終えた達成感目当てに旅するのであれば頑張るのもいいですが、旅の本質ってそこなのかなと。
 これは、18きっぷで静岡ロングシート苦行とか言っている人に言える話で、ロングシート区間にはその区間なりの時間のうまい使い方あるやろうって思うんですよね。途中下車するとか、その区間だけ立ちっぱで違う視点から景色見るとか。そういう工夫もせずに、冗談じゃなしに割と真面目に"苦行"とか"頑張る"って言っている人を見ると、自分とは価値観合わないなって正直思っちゃいました。

③そうはいっても山区間で景色をどう楽しむのか
 今回の旅で気づいたのが、海の景色って永遠に見てられるのですが、山の景色って飽きるの早いんですよね。(自分が瀬戸内の人間だからかもしれないですが) で、どうやって山区間の景色を楽しもうか北海道にいる間は少し考えてました。
 最終的には、昔生物基礎で習ったような植物分布図を思い出しつつ、南下していくにつれて生えている植物の変化を楽しむことや、山間の中に小さな集落を見つけてはその土地の人がどんな風に生活して遊んでいるのかを連想することなどして楽しんでました。④にも関連する話ですが、人々の営みを考えるのってすごい楽しいんですよね。ポツンと一軒家みたいなの好きなので(笑)

④"こんな小さな街じゃ 何にもなれるはずない"
 ここまでこんな駄文を読んでくださっている人は相当な方だと思うのでもう少しプライベートな話もしときます。自分の好きなアーティストの一つに"Juice=Juice"ってグループがあって、"がんばれないよ"って今年リリースされた曲があるんですよね。その歌詞の中に"こんな小さな街じゃ 何にもなれるはずない かっこつけうちを出た私"っていう、故郷の田舎を捨てて都会を目指す若者を描いたよくあるフレーズがあるんですが、この"小さな街"ってどのレベルで小さな街なんだと。
 一人の20代として、もしこの町で自分が生まれ育ってたらどうだっただろうか、なんて考えながら全国の街をうろうろしていました。一つ一つの街を挙げればきりがないですが、一つ挙げるとするならば新潟・糸魚川。あれほど街の知名度と街の活気、人の流れが一致していない街はこの旅で見なかったです。そりゃ若い人新幹線でみんな東京出てもおかしくないわな、っていう… それぐらい遊ぶ場所もなければ静かな街でした。加えて他県民お断りの店も多くて、物寂しいなっていうのが正直なところです。

⑤ファーストテイク許すまじ
 最後はあんまり旅には関係ないですが(( この旅の途中でTHE FIRST TAKEにポルノグラフィティのサウダージが公開されたわけですが、良すぎますね。1日6回ぐらいは聞いてます。ただ、言うても失恋ソングなので何回も聞いていくうちに20代は独身でいいやって発想になっちゃうんですよね。今回も一人旅だからこそできたことがたくさんあったわけで。(もちろんグループ旅行も好きですよ…! 実際8月頭に楽しすぎて非鉄のドライブを記事にしているわけですし…)
 あと、恋愛どうたらこうたら考えていくうちに、人生についても考えさせられましたね。こんな30日(実際は17日+13日)もまとまった休みが取れること、定年退職するか億万長者になってフリーターにならない限りもう人生でやってこないんだなと。(だからコロナ禍で無理やりこんな旅を決行しているんですが) やっぱ一番の財産は時間なんですよ。そのことに超間接的に気づかせてくれたサウダージは偉大でした。

まだまだ書きたいことはいろいろありますがとりあえずこの辺で。あとは個人的に食事に行った際などに積もる話をします(笑)

長きにわたって旅行記をご覧いただきありがとうございました…! 
私事ですが、学園祭の偉い人になってしまったので12月中旬まではバタバタしてそうです。どれぐらい忙しくなるかは未知数ですが、仮にしばらく更新が止まっても温かい目でお待ちいただけたらと… 今回は以上です…!

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