デルタの窓口

2025年7月13日日曜日

西の離島を攻める その3「実録、屋久島縦断録」

5月5日()




先にお伝えしておきますが、歴代トップクラスの長さになりそうです。
気長にお付き合いください。
20代のうちに行っておきたい場所として富士山・屋久杉・ソウル(906号目当て)があるわけですが、そのうちの1つを達成しに行ってきました。

時刻は4時過ぎ。
本来始発バスは5:07なのですが、そのほぼ1時間前に臨時便が出るとホテルの方に教えていただき、早めに行くことに。離島の情報網は少し特殊で、ホームページなどには臨時便の情報は一切載っておらず、観光協会のTwitterでひそかに案内されていたのみでした。

こんな時間に離島でバスが走っているのかと半信半疑ですが、そもそも屋久杉自然館までの送迎付きホテルも多く、4時過ぎにしては車通りが多いです。
4:15、本当にバスが来ました。知る人ぞ知るダイヤのせいもあってか、終点手前で少し立ち客が出る程度の混雑っぷりでした。


屋久杉自然館からは登山バスに乗換え。すでに自家用車で乗り付けた勢とホテル送迎勢が大群を成しており、5グループ目ぐらいのバスに案内されました。
本来は「発」の左側に時間が入力されていますが、この日はピストン運行。5グループ目にもかかわらず、時刻表上の始発便よりも前の時間に出発しました。


30分強揺られて荒川登山口へ。アスファルト舗装の最末端です。


ちなみにここまでの車両はトップドアブルリ。朝5時からカロリーが高すぎる。

車道の終わりは軌道の始まり。ここ荒川登山口は、森林軌道の拠点にもなっています。

というわけで、ここからはかの有名な軌道を登っていきます。
最初ぐらい観光地らしい案内看板があると思っていましたが、早速怪しい軌道を奥へと突き進んでいくようです。

開幕早々、離合地点の跡地を通過。本土の鉄道であれば剝がされるであろう副本線側は、何十年の時を経て森に還ろうとしていました。

当たり前ですが、吊り橋もがっつり軌道が通っています。木造なので少し不安になりますが、トロッコが木材積んで通れるぐらいには耐久性があるようで。


雨の島だけに、いつかの土砂崩れで出来たであろう水路橋も。世界遺産の軌道は保全が大変ですね。。


最初こそ入念に準備する人・しない人で出発のタイミングがばらつくのですが、15分も歩くと追いついてしまって大渋滞に。さすがにGWは混みますね。


小杉谷集落の跡地にヤクシカ。最初こそ珍しかったですが、結果的にはどこにでもいました。

登り始めて1時間。登山バスの1便目集団に追いついたのか、とうとう前方には足早なソロハイカーしか見えないところまで来ました。休むことなく歩みを進めます。

さらに歩いて40分、仁王杉に到着。薄々気づいてきたかもしれませんが、周りに杉が多すぎて、どの杉が特別な杉なのかがパッと見では分からなくなってきます。。

登山口から110分、方向転換用と思しき謎のデルタ線が見えてきました。一流鉄道ヲタク()なので、もうゴールはすぐそこにあることが分かります。

というわけで、登山口からほぼ2時間で森林軌道の終点・大株歩道入口まで来ました。
さすがに最奥地までトロッコが来ることはそう多くはないと思われますが、この俯瞰カーブ普通にいいお立ち台では。

ちなみに軌道はトイレがある建屋にぶつかるところで途切れます。


ここからは軌道に別れを告げて大株歩道へ。残念ながら縄文杉までの道のりではまだ半分強です。

ここからはただの山道なので、大木と大木の間をすり抜けるなど、めちゃくちゃな道が続きます。日頃運動していれば別ですが、そうではない人が定年退職してからフラっと行くには少しハードルが高い気がしました。


不思議な形が特徴のウィルソン株。どうしても某炭酸飲料の名前が過りますね((


色々な逸話がありますが、とにかく空洞がすごいです。撮影待ちで列ができていました。

さらに40分登って夫婦杉。緑が生い茂って視認性が悪いのも相まって、いよいよどれやねん状態です。


そして9時前、ついにお目当ての縄文杉に到達しました。標準所要時間は5時間ですが、黙々と歩き続けた結果3時間半で到着できました。


ちなみに樹木保全の観点からか、数メートル離れたテラスから眺める形になります。
テレビ等の画角だともう少し近づけそうですが、ここは写真よりも目に焼き付けるべき場面なのかもしれません。


横からも。さすがに縄文杉にもなると、周りの杉とは樹皮から放たれるオーラが違いました。


このまま折り返してもよかったのですが、下山すれば正午には登山口に戻れてしまい、バスの時間までだいぶ待ちぼうけすることが想像ついたので、さらにその先を目指すことにしました。九州最高峰への挑戦の幕開けです。


道標に沿って歩くこと1.7km、新高塚小屋を通過。このあたりまで来ると3人ぐらいしかすれ違わなかったです。

さらに進むと霧雨の空に。これが雨の島の本性かと感じさせられました。

森のゾーンは完全に抜けて岩の上をつたっていきます。鎖場もありました。


平石を通過。ライトラインの乗り場はどこですか?((

振り返ると断崖絶壁。この後さらに霧が濃くなり、さっきまで登ってきた背後の道が見えなくなるという、新手の恐怖を体験することに。。

一時期は体力的にも天候的にもどうなることかと思いましたが、縄文杉を発って2時間半で無事に山頂に到達です。

山頂で小休憩している間に奇跡的に晴れました。5分後には写真の下5分の2程度が再び雲に包まれただけに、本当に気難しい島です。

ここまで来たら後は下るだけです。
ただ、荒川登山口まで引き返すには鎖場を下る等の難関もあることから、引き返さず淀川入口に抜けることにしました。

ただ、こっちはこっちで小川のような獣道を下っていくので大変です。
2・3回転びかけながらも、タイムリミットを気にしつつ駆け下りていきます。

下山すること1時間半、花之江河を通過。日本でも数少ない高山湿原です。

ラストスパートの手前でとうとう飲み物が力尽きたので、ちょうど近くにあった水場で給水。写真でもだいぶ透明感がありますが、肉眼で見るとそれ以上の透明度でした。これはいくらでも飲める…


下り続けること2時間半、淀川登山口に到着です。
ただ、帰りのバスの時間が刻一刻と迫っているため、ここで一息つくわけにはいきません。


9時間ぶりのアスファルト舗装を下っていくと、ヤクザルの群れに遭遇。襲われない程度に遠目で眺めていると、ヤクザ顔負けの睨みを咬まされてしまいました(?)

登山口からさらに20分小走りで進み、ついに紀元杉バス停に到着。遭難を免れました。

登山バスと違って市街地まで直通する普通の路線バスですが、セレガが抜擢されていました。紀元杉の見物帰りか下山客なのか、5名程度の利用がありました。

そのまま終点の車庫前まで乗車。観光のウエイトが高いだけに、離島にしてはハイデッカー車の割合が高めでした。化石みたいな車もチラホラいますね。

ホテルに荷物を置いて空港へ。完全に足が筋肉痛状態ですが、明日の帰りが早いため、今のうちに土産を買い込んでおいたのでした。

翌日。本来であれば別記事にするところですが、諸事情でまとめて書いちゃいます。
昼間のジェットフォイルや飛行機は空席皆無だったので、始発のジェットフォイルで島を後にします。

この日は本土に戻って天草へ。天気は微妙でしたが、初めての天草半島をぐるっと一蹴したのでした。。。

が、帰りの新幹線で撮影データを取り込もうとしたところ、不具合によりデータが破損。
課金して復旧も手ではありましたが、天候が最悪だったので心の記憶に留めておき再訪すると誓ったのでした。

最後がまさかのバッドエンドでしたが、屋久島自体は本当によかったです。
次はオフピークを狙って森林軌道の稼働シーンを撮りに行くべきでしょう。
ではでは。

0 件のコメント:

コメントを投稿